4.5 木目金地金の接合法のポイント・酸化抑制策
純金の表面には酸化皮膜はありません。銀、銅合金では、その表面には酸化皮膜層があります。これら酸化皮膜層で覆われた面同士を、接触させて加熱すると、接合界面の酸化皮膜は分解して、酸素は金属母材へ溶解します。
その結果、温度の上昇、加熱時間の増加とともに、接合界面の酸化皮膜は消失して接合します。
従って、接合中に接合界面が酸化されないように、プロセスを管理する必要があります。
工業的には、真空装置内で加熱して、各種金属を加熱して接合します。
還元雰囲気中で加熱する方法が最適です。還元雰囲気は、木炭ともに加熱しますと、銅はほとんど酸化しません。
下図は、銅を大気中と木炭中で加熱した際の酸化を比較しています。横軸は加熱温度、縦軸には銅の酸化皮膜の厚さを示しています。木炭中での加熱では、銅の酸化皮膜はほとんど成長しません。
新品の木炭には、多量の水分が含まれています。新品の木炭と一度使用した木炭を比較していますが、ほとんど差がありません。実験に使用した木炭は、岩手産ナラ材です。
木炭中加熱と大気中加熱した際の、酸化皮膜厚さ比較