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接合関連情報

拡散接合 Q&A

金属技術史

木目金の作り方

2.2 木目金作家の積層材作成時の「材料加熱法」

 積層金属板ブロックを接合して一体化するには、加熱する必要があります。加熱時に接合界面へ空気が流入して接合面の酸化を抑制するため、主に下記の方法が利用されています。

1. ガスバーナー加熱(耐火レンガ外壁)

 耐火レンガの上に、固定した接合体ブロックを置き、この接合体を囲ように耐火レンガを配置。都市ガスバーナー(還元炎)で接合体ブロックを均一に加熱。異種金属間で溶融が開始し始めますと、加熱を停止して、直ちに鍛造します。 接合面間への空気の流入を抑えるため、「砥の粉」の塗布、あるいは「木炭と砥の粉ペースト」の塗布などが併用されます。

2. ガスバーナー加熱(耐火レンガ壁)

 シャコ万力で固定した積層体ブロックを二つ割の耐火レンガ内に納め、上記の耐火レンガ加熱よりも、空気の流入を抑えた加熱方法。接合面での酸化を抑える効果が期待されます。

3. 木炭中での加熱

 固定した積層体ブロックを木炭中で加熱する方法。銅は木炭中で加熱して精錬しました。日本刀も、木炭加熱で接合・鍛造していますので、接合には合理的です。

4. 電気炉(大気中)

 固定した積層体ブロックを電気炉内で加熱する方法。大気中での加熱ですから、接合界面に大気が侵入しないように、接合体ブロック外周に、木炭と砥の粉のペーストを塗布する例があります。あるいは、銀粘土を塗布する例もあります。これに引き続き、接合高温接合体ブロックを高温で鍛造、接合部を完全化して、木目金地金が制作されています。

 

 

 

固定法の出典等の一覧表が、下記です。

書名

著者

材料固定法

材料加熱法

MOKUME GANE

Ian Ferguson

ボルト締め

電気炉(大気中)

真空容器内で積層(加圧装置)

ヒーター加熱(真空中)

MOKUME GANE

Steve Midgett

シャコ万力

ガス加熱(耐火レンガ内)

ボルト締め

電気炉(大気中)

Color, Texture & Casting for Jewelers

Carles Codina

ワイヤ締め

ガス加熱(目視で融着確認)

ボルト締め

ガス加熱(還元)

木目金の教科書

高橋正樹

ボルト締め

電気炉(大気中)側面にとの粉塗布。
各種異種金属での接合温度、時間の記載

小冊子・インターネット


題目

著者

材料固定法

材料加熱法

杢目銅

千貝弘

 

木炭ふいご加熱
(目視で融着確認)

秋田の金工

千貝弘

専用鉄製金枠詰め

木炭ふいご加熱
(目視で融着確認)

木目金の作り方

三木稔

針金で固定

電気炉加熱、側面に銀ペースト塗布(730〜760℃,8h加熱)

木目金の作り方

東京藝大・鍛金

ボルトで固定

電気炉加熱、側面に砥の粉、木炭ペーストを塗布

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