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拡散接合 Q&A

金属技術史

木目金の作り方

2.1 木目金作家の積層材作成時の「材料の固定法」

 色の異なる金属板を積層・接合し、その接合体を鍛造等を経て、木目金の地金となります。小さな積層接合体では、板厚1mmで、幅10mm, 奥行き30mmの板材を、6〜10枚積層します。この小さな接合体ブロックは、指輪やアクセサリの制作に。香炉、花瓶どの大型の作品の際には、板厚が1mmで70mm四方の板材を積層して、接合体ブロックは大きくなります。当然、接合面積も大きくなります。
 これら金属板を積層接合する際には、接合面で密着させて、固定する必要があります。積層接合体ブロックの大きさに対応した固定法が提案されています。代用的な材料の固定法は、次のようになります。

1. 針金で固定

 各種金属板の積層体ブロックを、コの字に整形した鉄製容器内に納めて、鉄製の線で固定する。この手法では、積層板面間に作用する力も非常に少ないと考えられます。

2. シャコ万力で固定

 各種金属板の積層体ブロックを、シャコ万力で固定する方法。シャコ万力では、加圧部が自由に頭を振るので、接合面を均一に加圧することができます。針金で固定する方法よりも大きな接合体の接合ができ、接合面に大きな加圧力を加えることができます。

 接合体の接合面積が、さらに大きくなると。

3. 専用鉄製金枠詰め

 各種金属板の積層体ブロックを金属製の枠内に納め、接合面間に加圧力が作用するように、鉄製の板を溶接して固定。

4. ボルト締め

 各種金属板の積層体ブロックを上下にある鉄製板間に挟み、ボルトで固定。ボル締めする際、加圧装置間で加圧しながら、ボルト締めする場合もある。

 

 

 

針金での固定          シャコ万力での固定

 

 

専用鉄製金枠詰め          ボルト締め

固定法の出典等の一覧表が、下記です。

書名

著者

材料固定法

材料加熱法

MOKUME GANE

Ian Ferguson

ボルト締め

電気炉(大気中)

真空容器内で積層(加圧装置)

ヒーター加熱(真空中)

MOKUME GANE

Steve Midgett

シャコ万力

ガス加熱(耐火レンガ内)

ボルト締め

電気炉(大気中)

Color, Texture & Casting for Jewelers

Carles Codina

ワイヤ締め

ガス加熱(目視で融着確認)

ボルト締め

ガス加熱(還元)

木目金の教科書

高橋正樹

ボルト締め

電気炉(大気中)側面にとの粉塗布。
各種異種金属での接合温度、時間の記載

小冊子・インターネット


題目

著者

材料固定法

材料加熱法

杢目銅

千貝弘

 

木炭ふいご加熱
(目視で融着確認)

秋田の金工

千貝弘

専用鉄製金枠詰め

木炭ふいご加熱
(目視で融着確認)

木目金の作り方

三木稔

針金で固定

電気炉加熱、側面に銀ペースト塗布(730〜760℃,8h加熱)

木目金の作り方

東京藝大・鍛金

ボルトで固定

電気炉加熱、側面に砥の粉、木炭ペーストを塗布

 

 

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