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3.7 接合雰囲気のガス組成は

 真空に排気した容器内の残留ガスの組成は、大気を構成している窒素と酸素でしょうか。接合容器を真空ポンプで排気します。ポンプの形式によっても異なりますが、真空ポンプは分子量の小さな分子が苦手です。水素は排気しにくいので、例えば、分子ターボポンプ、油拡散ポンプで排気しますと、雰囲気圧力の低下とともに、接合容器内の水素の割合が高くなります。
 排気が進みますと、容器の内面に吸着した水分が、水蒸気として脱離します。
ですから、10−4Pa 程度に雰囲気圧が低下しますと、容器から脱離する水蒸気と排気速度がバランスして、これ以上雰囲気圧力を低下できなくなります。さらに、圧力を低下させるには、容器を100〜150℃程度に加熱して、容器内面の吸着した水蒸気が脱離させる必要があります。これはベーキングと呼ばれる作業で、ベーキングするには、真空容器のシールを銅製の金属ガスケットに置き換える必要があります。そして、真空容器をなるべく均一に加熱するため、真空容器をアルミ箔で覆います。数時間加熱して冷却しますと、この作業で10−5Pa以下の超高真空を得ることできます。
 接合装置内の接合雰囲気の残留ガスの分析方法を紹介しましょう。本HPの下部の写真(イオン照射付き高真空接合装置に接続されたアルミ箔でくるまれた装置)がガス分析装置です。分析管は、タングステンフィラメントを使用していますから、高真空に保持する必要があります。分析管は絶えず分子ターボポンプで超高真空に保持します。接合装置からバリアブルリークバルブを介して、わずかのガスをこの分析管へ誘導して接合室のガス組成を分析できます。
 油拡散ポンプや分子ターボポンプなどで、排気した容器内の残留ガスは、ほとんどが水蒸気で、次に多いのが水素です。残量ガスの組成の変化から、接合材料と残留ガスとの反応等が予想でき、最適な接合雰囲気の検討もなされています。

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