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3.14 単結晶材料は接合できるか

  単結晶も、多結晶体と同じように拡散接合できます。接合工程中に単結晶材料が変形しますと、再結晶が発生して多結晶体に変化します。大きい変形が発生しないように注意が必要です。
 材料中の原子間結合の形態には、1.金属結合、2.共有結合、3.イオン結合があります。大半の金属は金属結合ですが、モリブデン、タングステンは共有結合的性格も少し持ち合わせます。
 共有結合では、隣接する原子が電子を共有する事から、結合原子間には方向性があります。特定の方位関係の結晶粒界でのみ、共有結合の原子の方向性を満足する事になります。共有結合材料では、粒界の強さは低いものとなります。多結晶体のシリコンも粒界で破壊し易いです。また、タングステン、モリブデンも再結晶するとその粒界で簡単に破壊します。電子顕微鏡のフィラメントや、モリブデンヒータ線は、非常に脆く破断します。これは、粒界での結合力が低い事に起因します。

1. モリブデンシリコンNi基耐熱合金等の単結晶の拡散接合では、接合面での結晶方位差が10°以下の小傾角粒界では接合できますが、接合面での方位差が大傾角粒界では接合できません。下図は単結晶モリブデンの接合結果です。 捻り角が63°の場合、接合面での原子11個の内1個の位置が対応・一致します。捻り角ゼロでは、原子位置すべてが対応・一致しますので、接合強さは大きい物となります。Σ値(接合面での対応・一致した原子数/全原子数)が小さい粒界程、接合性は向上します。

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モリブデン単結晶材料接合した際の、接合強さとねじり角との関係

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ねじり角63°での接合面での原子配列

2. 無酸素銅を長時間加熱しますと結晶粒が粗大化します。粗大化した材料を用いて、中央部で切断して接合試験片をねじらないで接合した接合部には、接合界面での方位差が50%で一致しています。90°捻った時とでは、接合面での方位が一致した結晶は認められません。接合界面では結晶粒の移動が全く見られません。このような接合条件下での両者の接合継手で、接合強さの差異はありません。鉄鋼材料等の金属材料では、結晶粒界の消滅がしなくても、十分接合しています。

 単結晶、多結晶体とで、接合性の差異はありません。

 

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