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金属技術史

2.3 アルミはなぜ接合し難いのですか?

 接合部へ大きな塑性変形を与えて接合する方法、例えば常温圧接では、常温でアルミニウムの接合部を作ることができます.また、接合界面にすべり(相対変位)を与える超音波接合では、簡単にアルミニウムの継手を作ることができます.しかし、単純に加圧・加熱する拡散接合では、アルミニウムの継手を600℃に加熱しても接合が困難です.これは、接合面上のアルミニウムの酸化物の性質に関係します.
 各種の金属を常温圧接した際の「常温圧接に必要な圧接変形度」、「酸化物と金属の硬さと比」を、下表に示しています.常温圧接は、接合界面での「皮膜の割れ易さ」と「融点」に関係します.融点の低い材料ほど、常温での拡散量が大きいので接合しやすくなります.また、皮膜の割れ易さは、「酸化物と金属の硬さと比」と関連つけられて説明されます.この値が大きくなると、「軟らかい金属上の硬い酸化皮膜が割れやすく、接合面間での酸化皮膜が破壊しやすい」ためと考えられております.その結果、常温圧接時の接合に必要な変形度が小さくなります.

各種金属の接合変形度と酸化物の硬さ

ratio

 アルミニウムの酸化皮膜は変形で破壊しやすいのですが、接合面間で変形を与えない拡散接合では、酸化皮膜は破壊しません.拡散接合では、材料内に閉じ込められた酸化皮膜の安定性に関係します.酸化皮膜の安定性に関連する因子として、「酸化皮膜の融点」と「材料への酸素固溶度」があります.金属の融点とその酸化物の融点を下図に示します.
 鉄の酸化物は融点が低下します.ガス切断では鉄を酸化させ、融点が下がった酸化物を吹き飛ばして切断しています.アルミニウムの酸化物の融点が大きく上昇します.ですから、アルミニウムのガス切断はできません.アルミニウムの融点は660℃ですが、アルミナは2046℃です.酸化物の融点が高いとその酸化物中での拡散も低下しますから、拡散接合600℃に加熱しても高融点のアルミナは全く変化せず、接合できません.拡散接合での酸化皮膜の挙動については、本HPの「拡散接合の原理」の4.2 表面皮膜の挙動でも解説しています.

 melting point

上述した「接合界面でのアルミナの挙動」は、接合材料が純アルミニウムに限定されます.合金元素としてマグネシウムが約1%含有しますと、接合界面の様相が全くかわります.このマグネシウムが接合界面のアルミナを還元して、接合現象が進み、鉄鋼材料と類似な接合現象で接合します.

 

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