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2.2 常温で接合するには

 常温で接合するには、清浄な面を全面接触させると接合できます。このような考えで、ガラスやシリコン・ウェハーの他、各種材料が接合されています。
 表面を平滑化したシリコン表面を親水処理します。この表面には水酸基が表面に形成され、このようなシリコンを接触させると水酸基同士がファンデルワールス力で結合して接合出来ます。このように接合した接合材料を加熱しますと、水酸基がシリコン内へ固溶して接合が完全化します。この一連の接合プロセス、接合の原理などは、産総研の高木さんのHP で詳しく解説しています。
 親水処理して接合する他、シリコン・ウェハー表面をアルゴンイオン衝撃して、その表面の酸化皮膜を取り除きます。この表面同士を接触させますと、シリコン・ウェハー同士を常温で瞬間的の接合が達成出来ます。この方法での接合強さも大きく、母材で破断する接合部を作成することが出来ます。この接合の進行過程を、赤外線カメラをもちいて観察されています。
 このように、接合面を清浄化して、シリコン・ウェハー同士を直接接触させると接合します。
シリコン・ウェハーと金属同士の接合も可能です。接合のポイントは如何に平坦な接合面を得るかにかかっているようです。
 シリコンの研磨技術が進歩して、表面粗さnmオーダーの平滑さを得ることが可能となっております。シリコンと比較して軟らかな金属では研磨面に傷がつきやすい。研磨面の傷の谷の近傍は塑性変形で表面より高くなっております。表目傷近傍の盛り上がりが、接合面同士の密着を妨げています。
 これを解決するには、シリコン・ウェハー同士の接合では無加圧ですが、表目傷近傍の盛り上がりを塑性変形させて密着させる必要性から、接合時に荷重を加える必要があります。

 清浄な面を接触させた際、接合を促進させる方法には、加圧して接合面の密着を促進する方法のほかに、接合面での拡散を促進させる方法があります。この拡散促進方法として、接合面に微結晶をコーティングする方法です。例えば、シリコン・ウェハーの接合面上にスパッタリング法で、結晶粒の細かい微結晶の薄膜を積層した後、それらの面同士を接触させる方法です。
微結晶で、結晶粒界が多いことから、粒界拡散が支配的で、拡散が促進され、接合が容易となうようです。
 現在、上記に記載した方法の適用は、ブロックの接合ではなく、ウェハーなどの箔の接合に用いられ、MEMSや電子デバイスの積層接合への適用が図られております。

 

 

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