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金属技術史

1.1 JIS規格に見る拡散接合の定義、各接合法の特徴

 JIS規格に見られる、主な溶接用語を下記の表に示します。拡散接合の名称だけ、接合するための「機構」の観点からの名称です。他の接合法は、接合するための「手段」も観点からの名称です。

 拡散接合は、固相状態で「接合界面の空隙」と「接合面の酸化皮膜」の両欠陥を、原子の拡散現象を利用して、接合部を一体化する方法です。接合面の酸化を避けるため、制御された接合雰囲気内で加熱・加圧して接合します。

 「拡散接合」は「鍛接」、「圧接」と接合手法・手段が同じですが、「拡散接合」では、接合プロセスによる接合体の「変形」を少なくすることを意識した接合法と言えます。

 用語    JIS での 定義
拡散接合

母材を密着させ、母材の融点以下の温度条件で、塑性変形をできるだけ生じない程度に加圧して、接合面に生じる原子の拡散を利用して接合する方法。拡散溶接ともいう。(2013年版JISZ3001-2 では、最後の文章「拡散溶接ともいう」は削除されています。)

鍛接 加熱した金属を打撃又は加圧して行う高温圧接。
超音波圧接 母材を音極間に支持し、加圧しながら超音波を与え、その超音波振動を利用して行う固相接合。超音波溶接ともいう。
爆発圧接 火薬の爆発による衝撃圧力を利用して行う固相接合。爆発溶接ともいう。
摩擦圧接 部材を接触させ加圧しながら接触面の相対運動によって摩擦熱を発生させ、アプセット推力を加えて行う高温圧接。摩擦溶接ともいう。
常温圧接(冷間圧接)  外部から加熱又は電流を加えることなく、延性材料の境界部を、室温のままで、強く圧縮して、局部的に塑性変形させて圧接する方法。重ね溶接と突合せ溶接とがある。融点の高い金属では、補助的に加熱して行うことがある。
圧接 溶接継手に大きな機械的圧力を加えて行う溶接方法の総称。加圧溶接の略称。
固相接合 母材の融点以下の温度で行う溶接で、ろう材を用いず、加圧又は非加圧の状態で固相面どうしの溶接方法の総称。
溶接 溶接の用語・定義。2個以上の部材を、接合される部材間に連続性があるように、熱、圧力又はその両方によって一体にする操作
ろう接 ろう又ははんだを用いて、母材をできるだけ溶融しないでぬれ現象で接合する、ろう付及びはんだ付の総称。
ろう付

ろうを用いて母材をできるだけ溶融しないで行う溶接方法。

はんだ付 はんだを用いて母材をできるだけ溶融しないで行う溶接方法。ソルダリングともいう。

各種接合法の特徴(選定基準)

接合方法
 清浄化法
密着化法
特徴
拡散接合 拡散 拡散 接合による形状変化:小
鍛接 拡散・塑性変形 拡散・塑性変形 鉄鋼材料
常温圧接 塑性変形 すべり変形 Cuやアルミなどの軟質材。接合部の変形大で、接合面積小
超音波接合 相対変位 すべり変形 Cuやアルミ等の電子部品の接合で実用化。常温圧接よりも接合による形状変化は小。
摩擦圧接 相対変位 塑性流動 一般的には丸棒に限定。自動車部品などで実用化
撹拌接合 塑性流動 塑性流動 鉄道車輛、航空機などアルミ板の接合で実用化。設備費大。ライセンス(ライセンス:英国のTWIが19971年11月30日最初の特許を出願。日本でも本特許成立。出願日から20年間有効。特許が切れつつあります。)

 

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