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杢目金(佐竹歴史文化博物館)と樺細工を見学

 杢目金の作品の展示があるとの事で、佐竹歴史文化博物館を見学しました。見学当日は関東地方は晴天に恵まれ、郡山あたりでは「スーパーこまち」の車窓から、雪を頂いた磐梯山が遠くにみえました。しかし、盛岡近辺では、里山が薄い雪に覆われ、秋田へ向かう在来線区間では、雪景色となりました。角館市内の路上では、雪が既に溶けていましたが、ミゾレが混じる空模様でした。
 佐竹歴史文化博物館は、佐竹工芸美術館、金銀銅杢目金美術館、林美光美術館からなります。秋田藩主佐竹義宣は、兵法に秀でる一方、茶、文芸、書画も修めた文化人でもあったようです。佐竹家に伝わる、鎧、刀、金屏風などの文化遺産が展示してあります。
 金銀銅杢目金美術館には、林美光さんの製作による各種杢目金作品が展示してあります。秋田県は国内有数の鉱山県で、阿仁鉱山、尾去沢鉱山、院内銀山等から、銅、銀、金を産出し、江戸時代から金銀銅細工が盛んでした。
 杢目金とは、金、銀、銅、銅合金(赤銅、黒味銅)など光沢の異なる金属を積層接合して、彫って鍛えて木目模様を作り出す技法です。この杢目金の技法は、秋田正阿弥陀伝兵が(1651〜1727)に考案製作したとされ、佐竹義処藩公に抱えられ、日本刀の鍔師として活躍したようです。
 本技法は明治時代に入り、一時途絶えました。最近、本技法に着目する金工作家も多いようです。鍛金作家・林美光さんの特徴は、積層金属の中に金を使用することです。金は融点が高いですから、積層接合体を作る際の接合温度もより高い温度になり、接合積層体の製作に難易度が高くなります。接合体を彫って叩いて伸ばす際、木目の表現にこだわりを感じました。
 林美光さんは現役の鍛金作家で、故美空ひばりと同じ年だそうです。握手した際の握力の強さと、まだ衰えぬ作品制作の意欲に感心させられました。

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金銀銅杢目金の製作工程

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金銀銅杢目金「板目飾箱」 林美光作


 角館は、伝統工芸「樺細工」が有名です。佐竹歴史文化博物館のすぐ近くに、伝統工芸士(樺細工)大橋忠さんの工房がありました。山桜の樹皮を特殊な包丁を用いて剥ぎ、その剥いだ樹皮の美しい面を研ぎだし、木地の表面に貼って仕上げた角館独自の工芸品です。茶筒などの茶具が代表的のようです。
 この工房では、角館の伝統工芸を絶やさないようにと、若者が樺細工伝統工芸の技術・技法に研鑽に努力されているのを、ガラス越しに拝見しました。

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  樺細工製作実演の店

 杢目金、樺細工などの伝統工芸では、「如何に後継者を養成」して、「如何に技術を後世へ伝えるか」が重要かと思いました。

 

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