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金属技術史

鋳造の原点を見学(東大寺、薬師寺、飛鳥資料館)

 アジア鋳造技術史学会のポストツアーで、東大寺、薬師寺、飛鳥資料館を見学しました。
 東大寺では、東京芸術大学名誉教授・古津圭之介先生に案内して頂きました。先生は、長年にわたり東大寺を実施調査され、その成果を岩波書店から「東大寺大仏の研究---歴史と鋳造技術---」として刊行されております。
 大仏は仏様ですから、触る事は許されません。触る事が許されるのは、毎年8月7日に大仏様の清掃が行われる「お身拭い」の時だけです。「お身拭い」の際には、大仏様から魂を抜く儀式の後、清掃が行われるとの事。魂を抜いた鋳物として、大仏の調査を長年実施されました。
 大仏は,2度焼失しておりますが、創建当時の部分が少し残っております。大仏像の台座の周りには蓮弁があります。この蓮弁には創建当時の蓮弁が残っており、修復した蓮弁と形状がわずかに異なっております。大仏様の内部は見学できませんが、先生のお話ですと、「内部は柱が立て横に張り巡らされ、鋳物の部材を支えている」ようです。天平創立時の材料はCu-2Sn, 修復時Cu-(4〜5)Snで、最小厚みは2〜3cm、最大厚みは11cmとの事でした。先生の案内で間近に大仏を見上げ、このように大きい仏像を作り上げた、「鋳造技術の高さ」に関心しました。
 薬師寺の「日光菩薩像」、「月光菩薩像」も2mをこす大きな仏像で、製造技術には関心させられます。同じ技法で「ジェットエンジンのタービンブレード」などが製作されていますが、1500年前の作品とは思えない素晴らしさです。
 飛鳥資料館で、展示会「鋳造技術の考古学」を見学しました。(1)鋳造技術とは、(2)東アジアに置ける鋳造技術の出現と展開、(3)飛鳥・奈良時代の鋳造技術のコーナーでは、遺跡から発掘された鋳型、鋳造品、羽口などの展示。(4)鋳造技術の実験考古学の展示コーナでは、鏡や和同開珎などを発掘された鋳型や、炉などから当時の製法で鋳造実験を行った展示がありました。鋳造技術の歴史的の変遷の展示と共に、実験からその鋳造技術の実証を試みるものでした。

また、飛鳥資料館には、遺跡から発掘された展示品が数多く展示されております。写真は「金銅製の耳飾り」で、青銅の箔をパイプ状に加工し接合した後、鍍金して作り上げています。ここにも鋳造の他、板金、接合、メッキ技術の高さを示しており、この時代には、金属加工技術がかなり成熟していた事を感じました。

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金銅製の耳飾り

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