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平成23年溶接学会春期全国大会

 溶接学会春期全国大会は、毎年東京で開催されます。今年の会場は学術総合センター(一ツ橋)で、学士会会館の筋向かいにあります。今回は、3月11日の東日本大震災の影響で、開催が一時危ぶまれましたが、予定通り開催されました。
 今回の一般講演数は、全体で97件。手元の2004年の開催プログラムでは90件でしたから、講演数は減少していません。発表のセッション数で見ますと、4セッション:「FSW・摩擦」、2セッション:「アーク物理」、「溶接変形・残留応力」、1セッション:「ろう付け・拡散接合」、「マイクロ接合」、「切断」、「溶接力学」、「表面改質」で、「FSW・摩擦」関係の講演が非常に活発です。
 神戸製鋼所、常務取締役「粕谷強」さんの、特別講演「KOBELCOの溶接事業について・・世界の物作りへの貢献・・」が興味深い講演でした。鉄鋼等の生産が突出している中国では、溶接材料の需要も中国が非常に突出している。また、その国の主要加工物によっても、溶接法が異なり、おのずと溶接用材料も異なる。中国では、手溶接棒の需要が高い。日本では、溶接機器メーカーはダイヘンやパナソニック。溶接材料メーカーは鉄鋼企業から生まれ、「溶接機器メーカー」と「溶接材料メーカー」との棲み分けがなされている。しかし、世界の溶接棒企業の「リンカーン」や「エサブ」では、溶接機器と溶接材料の両者を同時に販売している。
 利益率で両外国企業と対等につきあうため、「日本の市場から得ている品質や技術」を基に、「WES溶接技術資格者」を増強して、「世界各地に根ざした」グローバリゼーションの推進を強調されていました。また、”Thank you for your job.”のために。顧客を優先とした考えも印象に残りました。
 研究者とは異なり、経営の観点からのお話は、具体的な数値もあり説得力のある講演でした。技術的な話で、開発製品「溶接棒B−17」は、溶接棒の外国からの入手が困難となり、昭和17年に神戸製鋼が独自に開発したイルミナイト系溶接棒であり、当時の戦艦武蔵の溶接にも使用された事が印象的でした。

また、シンポジウム「超大型インフラ構造物とその溶接」の中で、「東京スカイツリーの設計」、「東京スカイツリーの鋼材と溶接施行」では、日本の五重の塔の構造で、中央の心柱が五重の屋根を支えている。これと類似な構造で免震構造となり、前回の東日本大震災でも全く被害のない事が報告されました。

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