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三菱重工・長崎造船所資料館の見学

 三菱病院脇の駐車場に車を止め、国道202号に面した資料館門を入り、守衛所で記帳して構内へ。タービン工場に隣接して資料館があります。史料館に利用されている赤煉瓦の建物は、1898年(明治31年)7月三菱合資会社三菱造船所に併設の「木型場」として建設されたもので、三菱重工業株式会社発祥の長崎造船所に現存する最も古い建物です。
1945年(昭和20年)8月の空襲や原子爆弾の爆風にも耐えて100年の風雪に磨かれた赤煉瓦は、わが国の近代工業の黎明期に於ける長崎造船所の華やかな門出を偲ばせるに十分です。

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 長崎造船所資料館

 館内は13コーナーに分かれ、1857年(安政4年)に長崎造船所前身の長崎溶鉄所建設が着手されたときから現在まで900点を展示されています。

 接合技術屋にとって、次の展示3点が興味深い物でした。(1)「戦艦武蔵の建造に使用された大型鋲締機」、(2)「ガスタービンへの溶接の適用」、(3)「失敗の展示」。
第2次世界大戦での戦艦は、鋲(リベット)で機械的に結合されていました。多くの戦艦は、鋲の直径が15〜28mmでした。しかし、戦艦武蔵は鋼板の板厚が厚い事から、36〜40mmの鋲が使用され、鋲締機が展示されていました。数十キロにもなる本体を3人がかりで操作したようです。
 戦後、溶接技術が進歩して造船に適用されました。そして、昭和30年(1955年)には、ガスタービン製造(東京電力鶴見発電所1号)にも適用されています。ガスタービンのローターの高圧側4段のディスクがアーク溶接されました。長年使用された溶接個所の断面組織が展示され、溶接部や熱影響部とも欠陥が見られず、製造技術の高さを示しておりました。
 また、「失敗の展示」は、工学では重要です。昭和45年(1970年)スペインへの輸出用に製造されたガスタービンが、過速度試験中にローターが四等分に割れて飛散し、死傷者がでるとの事故が発生しました。原因は、ローター素材の中に残留したMnSの介在物であるとの説明があり、この事故以後「製鋼技術の飛躍的な進歩」もあり、現在は大きな信頼を得て、世界各国へ大型ガスタービンが輸出されています。(2011.3.2)

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戦艦武蔵の建造に使用された大型鋲締機

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