2010年 溶接学会春期全国大会
溶接学会春期全国大会は、2010国際ウェルディングショウーが東京ビックサイトで開催されていることから、その会議棟での開催である。一般講演数は95件。そのうち固相接合関係の興味ある発表を紹介しよう。
「cBNセラミクスと超硬合金の接合」に拡散接合を適用し、超硬中のCoの接合界面への偏析と同時に接合現象が確認でき、拡散接合適用の可能性を示唆しています(講演番号:105)。
「ガス圧接部の酸化介在物の挙動」について系統的な実験で、接合の進行とともに介在物の酸素が母材へ拡散。その酸素が母材中のMn、Siと反応して、反応生成物を形成。ガス圧接部の酸化介在物は、より安定な酸化物に変化しながら、組成を変化させ、その量も減少すること等が報告された(講演番号:126)。
接合プロセスの低温化を目的として、銀ナノ粒子を接合プロセス中に還元しながら接合部を形成させるプロセスは、新しい発想のプロセスであります(講演番号:219)。
また、銅電極を接合して実装する際、Sn単層(1μm)を挿入して接合するより、銅(0.12μm), Sn層(0.33μm)を交互に5層成膜すると、接合に有効なCu3Sn単層が短時間に形成され、Cu電極の接合が短時間で可能になる(講演番号:220)。
次回は、東北地区の開催で、郡山大会(日本大学工学部、9月7日〜9日)となります。(2010.2.22)