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金属技術史

「熱膨張係数を利用した加圧による木目金の接合」を発表

 木目金とは、江戸時代に刀の鐔を製作するのに使用された技法です。色合いの異なる金属を積層して、その接合体を彫って鍛えて木目状の紋様を作ります。現代の金工工芸品にも応用されていますが、金属板間の接合性が不安定なようです。
 そこで、熱膨張係数の差を利用して接合体を加圧する接合治具を用いて、木炭中で加熱して、木目金材料(銅、黒み銅、四分一、銀、赤銅)の接合を試みました。その結果、接合性の高い接合部を得る接合条件の選定指針を報告しました。

日本金属学会に参加して

 初日、二日目と小雪が舞うなど非常に寒い日でしたが、最終日は好天に恵まれ、コブシの白い花が、青い空に映えて見えました。
 木目金の講演(講演番号646)では、参考までに下記の質問がありました。1. 熱膨張に利用でうまく接合できるが、接合治具の最適な寸法は?。2. 接合時の加工度の影響は?。
 接合関係では、下記の講演が印象に残りました。「江戸時代の鎧の金属組織」の講演(648)では、炭素量の異なる鉄鋼のクラッド材(2〜3層)であり、接合界面に介在物が残留するものの、かなりうまく接合されているのには驚きました。また、金属板(Al,Ti,SUS)の上に金属箔(Al,Cu)をのせ、その上から金属球を20〜30分衝撃させると金属板と金属箔とが接合し、接合界面はかなりの衝撃で結晶粒が微細化していることが紹介されました(講演番号83)。
 溶射は金属を溶融して基板に溶融金属を積層する技術ですが、最近は金属を溶融せず、固相のまま積層する「ウオームスプレイ」の技術(講演番号98,99,100)があり、本技術は「まさしく大気中での粉体の接合技術」であり、本技術の知見は非常に興味深いものです。

 また、テラヘルツの利用で溶射積層膜を非破壊的に評価できる可能性があるとの報告(84)は、接合部の評価法として興味がありました。(2010.3.30)

2010.3.30

好天に恵まれた3月30日の筑波大学構内

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