宇宙機器工場見学と講演会
「宇宙機器製造工場の見学及び航空宇宙技術と溶接」と題しての見学会と講演会が、溶接学会東部支部の主催で行われました。参加者は高崎駅に集合して、観光バスで株式会社IHIエアロスペース富岡事業所へ。ここで、講演会と見学会が開催されました。
株式会社IHIエアロスペースは、富士精密工業、プリンス自動車工業、日産自動車と社名を変更して,現在に至っています。日本のロケットは糸川英夫教授のペンシルロケットに始まり、現在に至っていますが、このペンシルロケットを製作したのが、IHIエアロスペースの前身の富士精密工業です。現在は、H-Ⅱロケットの固体燃料の他、各種の衛星機器を製作しています。最近では、無事地球に戻ってきた探査機「はやぶさ」の回収カプセルの設計・製作も担当しています。
工場見学では、ロケット燃焼関連施設の他、C/C複合材料で組みたてられたロケットモータなどの各種部品の製造組立ラインとその組立製品。大きな製品の組立と少量多品種生産の生産現場であります。
講演会では、本会社での製造技術、特に溶接・接合技術についての講演。ロケット飛翔体の製造には各種の金属、複合材料が使用されます。製造のキーテクノロジーである接合技術の紹介がありました。
優れた熱伝導性を有する銅及び銅合金は、耐熱性に劣るものの、低温の流体で冷却することで、高温となる燃焼室の部材に使用される他、各種熱交換器に多く使用されるようです。これら銅合金の組立・接合には、「ろう付け」、「拡散接合」が適用されるとの紹介がありました。
ペンシルロケット 探査機「はやぶさ」の回収カプセル
(IHIエアロスペースのカタログから)