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科学と音楽の饗宴2010に参加「科学と音楽の饗宴」は、高エネルギー加速器研究機構が地域の文化活動の一環として開催しています。科学は右脳、音楽は左脳を分担して刺激し、バランスのとれた頭脳の能力向上に役立つとのことで、この会があるようです。第1部は、飯島澄男先生が「科学を楽しむ」と題しての講演。先生は2009年に、「高分解能電子顕微鏡の開発とカーボンナノチューブの発見」で文化勲章を受賞。2008年にはカヴリ賞(ナノ科学)等を受賞されています。 講演では、「見ることの重要さ」、「何事にも興味をもって」が伝わって来ました。難しい炭素の結晶構造の話ですが、非常に分かり易い「図と言葉」で、明快な説明でした。今までの研究成果として、「金の超微粒子が時間の経過で構造を変える様子」。「カーボンナノチューブの発見とその構造」。「その構造は、ほとんどの部分が蜂の巣状の六員環になっている」。「部分的に五員環や七員環の部分が存在し、これによって単なる円筒ではない構造を取ることができる」。これと類似した構造を「竹ざる」にも見ることができるようです。 カーボンナノチューブを発見しただけではなくその構造を明らかにされ、その電気的特性、化学的特性から、エレクトロニクス分野やエネルギー分野、化学等の大きな広がりを持った研究分野が生まれております。 先生は、70才近くでロードレイサー(自転車)を愛用し、下記の事が持論のようです。「まずは動くこと」。「勘とは、経験の蓄積である」。「血や肉となっている経験がリアルタイムに出てきて、それでピンとくる」。「経験は時間に比例しているから、創造的な仕事は若者の専売特許じゃない」。 竹ざるでの5員環と7員環構造 講演を終えた飯島先生 第2部では、瀬崎明日香(バイオリン)、菊池裕介(ピアノ)、上森祥平(チェロ)による、ハンガリー舞曲第5番、英雄ポロネーズ、カルメン幻想曲など1時間以上の演奏でした。久しぶりの生演奏に堪能しました。力強い・華々しいバイオリンの調べ、心なごむチェロ・ピアノの調べ。ノバホール一杯の聴衆は惜しみない拍手を送っておりました。(2010.11.14) 拍手に応える潮崎明日香、菊池裕介、上森祥平さん
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