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軽構造接合加工研究委員会と産業遺産の見学

 第87回軽構造接合加工研究委員会が東急車輌製造株式会社・横浜製作所で開催され、引き続き見学会が開催されました。
 研究会の主題が「高エネルギ密度溶接および高速度溶接技術」で、レーザ溶接加工に関する発表でした。
 溶接加工物とレーザ光源との距離を1m程度に大きくとれるリモートファイバーレーザ溶接法を亜鉛メッキ鋼鈑へ適用した際、貫通溶接が不安定で部分貫通溶接になる。その原因を各種の散乱と吸収の観点から系統的な実験で検証し、溶接の不安定は、○溶接時に発生するプルームによるレーザ光の屈折率の変動によること、○プルームを光路から取り除くことで解決できることが報告された(大阪大学接合科学研究所、川人洋介)。
 また、リモートファイバーレーザ溶接で亜鉛メッキ鋼鈑の重ね合わせ溶接した際、亜鉛蒸気によるスパッタ・ブローホール等の発生で機械的性能が低下する。溶接中の溶接部を高速度カメラでモニターしたスッパタ量、溶融地の輝度等と溶接部の機械的特性との関連を見いだし、高速度カメラのモニター制御で信頼性の高い溶接部を得ることが報告された(広島大学、山本元道)。
 従来のスポット溶接に代わり、レーザ溶接が各種の部品の組み立てに適用されつつある。その際、板の重ね溶接時、溶接ビード形状とそのビード配置の観点から、実験的・有限要素法による計算から検討し、レーザ溶接によって熱影響部で大きな軟化が発生しないような材料での、溶接ビード形状の選定指針が示された(九州工業大学、北村貴典)。
 発表会の後、工場見学と横浜製作所歴史記念館を見学しました。構体組立工場では、ステンレス製車両、アルミ製車両の台枠、側、屋根、妻などの構体をそれぞれ製作した後、6面を組み立てています。アルミ材は6N01,ステンレス鋼はSUS301鋼が主で、スポット溶接、MIG溶接等が施工され、MIGの余盛り除去のためでしょうか、グラインダーによる整形がなされていました。
 アルミ製車両では、塩害の影響をなくすための錆止め塗装、そして車内の各種の配線作業・内装作業が行われていました。電車を駆動するモーターは、直流モーターから誘導モーターに代わり、インバーター制御で乗り心地も良くなっていることでした。
 完成した車両は、構内で試験運転後隣接する京浜急行線あるいは陸送されるとのこと。見学を終える時には、代車を取り外した完成車2両が、深夜の輸送に備えておりました。
 構内には、横浜製作所歴史記念パークがあり、横浜製作所歴史記念館と東急車輌産業遺産第1号の日本初のステンレス電車(東急デハ5201,1958年), 東急車輌産業遺産第2号の日本初のオールステンレス車両(東急デハ7052,1965年)が展示されていました。

 最後に、貴重な工場見学に対して関係各位に感謝します。(2009.12.04)

 

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