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NIMS会の研究室訪問と懇親会

 NIMS会は、本機構の転退職者と現在の職員の親睦を図る会で、今年はリチウム電池の研究室の見学があるとのことで、参加しました。
 リチウム電池は、電解質として有機系電解液タイプが実用化されております。電流の高密度化に伴い、発火・爆発などの事故が報道されたことがありました。このようの事故をなくすため、有機系電解質に代わりセラミクス系電解質の開発を目指す現場を見学しました。
 現在、セラミクス系電解質は、実用となっている有機系電解質の性能と同等となっているとのこと。さらなる性能向上は、両電極とセラミクス系電解質との界面が重要との観点から、この界面のナノオーダーレベルでの制御のため、レーザ光を使った蒸着装置と分析装置を使い、界面の組成・構造解析を行いながら開発が進められていました。
 火薬を爆破させ、高速に加速した金属を衝突させると衝撃波が発生します。この衝撃波を利用すると、破壊ではなくて材料の合成ができるようです。物質同士が衝突して衝撃波が発生する様子をその場で観察して、温度や圧力を測定し、高温・高圧下での材料創製の可能性を検討されておりました。
 衝突部では地球の中心部と同等な状態を短時間ですが作ることができ、新物質の発見や衝撃波でアミノ酸の形成も確認されているとのことです。太陽系は無数の小さな星が衝突してできましたが、太陽系誕生時に有機物質のプロセスの解明にもなるとのことで、「生命誕生の謎」にせまる夢のある研究でした。
 NIMSの懇親会では、潮田資勝理事長から、「最近研究予算で、NIMSは非常に厳しい環境下にあるが、研究者はゆとりのある研究を。リンゴを落ちるのを見て、ニュートンが万有引力の法則を見いだした。遊び心のある研究を」との趣旨の挨拶がありました。

 最近、「研究者は、予算をどれだけ多く取ったか」、「有名学会誌にどれだけ多くの論文が掲載したか」で、研究者の能力を評価する風潮があります。「スローフード」ならぬ、「スローリサーチ」には大賛成であり、大幅な二酸化炭素削減にむけて、日本政府の公約を実行するにも新しい材料開発が必須であります。これら「環境」、「エネルギ」問題を解決する材料開発に手応えを感じました。(2009.12.10)

greeting

潮田資勝理事長の挨拶

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