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金属技術史

金と銀の考古学

 茨城県歴史館で開催中の特別展「かがやきにこめた権威と荘厳---金と銀の考古学---」を見学しました。歴史館内の木々は紅葉し、特に銀杏の葉は太陽を浴びて、ひときわ黄色が冴えて見えます。
 展示は、「人と金との出会い」、「王者の装い」、「古代の加工技術」、「仏教における金と銀」、「権力を示す金・銀」、「金工品の粋」などのテーマ順で、工芸品が展示されていました。
 王者の装いのテーマのところでは、三昧塚古墳からの出土品が目を引きました。この古墳は古墳時代末期(6世紀初頭)の前方後円墳で、昭和30年霞ヶ浦の護岸工事の際に発掘されました。石棺内に眠る青年豪族が頭に被っていた「馬形飾り付き金銅冠」の他、耳飾りなどが展示されていました。この冠は長さ60cm程で中央に蝶ネクタイ形の飾りがあり、また冠帯には火炎形と変形動物の透かし彫りがあります。冠の上縁には中央を向く4頭ずつ合計8頭の馬形飾りが鋲で固定してあります。銅材料の上に金が鍍金して製作され、埋葬当初は金色の輝きを放っていたものの、長い年月の間に腐食が進み、所どころ金の輝きが残るものの、銅の酸化物「緑青」の色合いを見せていました。

 三昧塚古墳(茨城県行方市)から発掘された金銅冠の製作は6世紀初頭です。兵庫県の高川古墳(6世紀後半)からの出土品の耳飾りは、薄い銅板をパイプ状に加工して銀ろう付けして製作されたことが知られています。また金メッキした奈良の大仏(鋳物)は757年に完成しています。このように、朝鮮半島から来た金属の加工技術が、6〜8世紀に全国的に広がりを見せているのが分かります。(2009.11.12)

 

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