ビッグプロジェクト(青函トンネル記念館、日本最初のアーチ式ダム、日本原燃再処理所)を訪ねて
津軽平野の米は黄金色。岩木山を背に車で北へ。日本の有数のシジミの産地である十三湖(岩木川が流入し、日本海岸にある汽水湖)を過ぎると、山が日本海にせまり、車が海岸線を縫うように走り、山を越えると津軽半島の先端・竜飛崎へ。
その灯台の近くに、青函トンネル記念館があります。ここは、小高い山の上の展示館の見学とともに、トンネル採掘時の斜坑を利用してケーブルカーで海面下140mのトンネル内も見学できます。青函トンネル内で事故発生時には、乗客はケーブルカーを利用しで避難するそうです。海面下の見学展示所は、トンネル建設時作業坑の一角に作られており、実際に採掘に使用された機械や器具が展示さています。
避難坑道には、直径30cm以上の火災消化用送水管とトンネル内の漏水を地上に排出するための排水管が天井に据え付けられていました。建設時から20年以上経過することから、ところどころ錆も目立ち、トンネルの維持にもかなり費用がかかりそうです。
青函トンネルの長さは53.85km(ドーバー海峡トンネルは49.2m)、最深部は140m(60m)完成年1985年(1993年)、工事期間21年(6年6月)、工事費6890億円(1億5000億円)。
青函トンネル工事は4回の大きな出水事故を乗り越え、現在世界最長のトンネルとなっています。青函トンネルで「巨大トンネルの採掘の基礎を確立」したのだろう。青森県内には東北新幹線の八甲田トンネルがもう既に2005年に完成してい ます。延長26.455mで青函トンネルに次ぎ第2位、陸上トンネルとしてはわが国最長であります。
東北新幹線は、2010年12月末までに新青森まで、2015年までに新函館まで延長される計画となっています。(2009.10.13)
海面下140mのトンネル内を見学
陸奥湾を眺めながら下北半島の大湊へ。大湊第1水源堰堤は、明治42年に完成。アーチ式ダムとしてはわが国最古のもので、長い間旧海軍の水道施設として使用され、その後昭和51年から市民に水を供給している。ダムの建造は、後に東京丸ビル、三菱銀行本店などをてがけた建築家櫻井小太郎氏によるものです。
雄大な黒部川第4発電所のコンクリート製のアーチ式ダムと異なり、溢流口の櫛形アーチ部の見事な石組み、取水口の石つくりは芸術品の美しさを感じさせるものでした。(2009.10.14)
日本最初のアーチ式ダム(大湊第1水源堰堤)
東通原子力発電所PR施設を見学。PR施設の展望台からは、松林の向こうに東北電力の第1号機の青白に塗装された煙突、発電所建屋及び送電塔。さらにその向こうに青い太平洋が広がり、秋空のもと非常の美しい風景でありました。この施設は平成17年から発電を開始しています。この先、2,3号機。さらに東京電力の原子力発電所の建設も計画されています。 また、クロマグロで有名な大間には、電源開発が大間原子力発電所の建設を開始しており、下北半島は大きな電気供給基地となりつつあります。
六ヶ所村にある日本原燃(株)PRセンターの展望台からは、松林の中に点在するウラン濃縮工場、再処理工場、高レベル放射性廃棄物施設が見えます。一番目につくのが六ヶ所村内に78基の風力発電所の風車。そして、国家石油備蓄基地の石油タンク。
今回の各施設の見学で、住民に会うことが非常に少なかった。これは青森県が全国一の「出稼ぎ県」によるものでしょうか。(2009.10.14)
六ヶ所村の風力発電所の風車