WELLBOND 拡散接合 情報館


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4.1 液相拡散接合とは 

 拡散接合では、接合性の改善目的で接合面間に第三金属を挟んで接合する事があります。この金属をインサート金属と呼んでいます。このインサート金属が、固相状態で接合する場合と、溶融して接合する場合があります。前者を「固相拡散接合」、後者を「液相拡散接合」あるいは、TLP接合(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)と呼んでいます。日本では、液相拡散接合と呼ぶ場合が多いようです。
 液相拡散接合は、拡散接合を行う際に接合界面に挿入される金属などを一時的に溶融、液化した後に、その溶融温度(接合温度)を保持します。溶融(接合)時間中に拡散を利用し「等温凝固」させて接合する所に特徴があります。「等温凝固」とは、一定の接合温度に保持していますと、溶融したインサート金属中の融点降下元素が、母材へ拡散することによって、接合部の液相の融点が上昇し、接合中に凝固することを言います。このように、液相拡散接合では、接合時間の経過とともに、インサート金属が液相から固相となり、接合部の組成が母材ほぼ同じ組成となります。

diffusion bonding

拡散接合の分類

ろう付けでは、接合部にろう材が残ります。ろう付け後、ろう材を拡散させる「拡散ろう付け法」があります。液相拡散接合では、拡散を利用して、等温凝固させる所に特徴があります。また、液相拡散接合では、施工的には接合圧力を加えることも、ろう付けと異なります。アクアラインの橋脚では、波がぶつかる領域が最も腐食し易い事から、上下5メートルにわたり、海水による腐食を防ぐため、チタン板を鉄鋼材料上に貼付けたチタンクラッド材が使用されています。このチタンクラッド材の製造法は、チタン板と鉄鋼材料板の間に銅合金をはさみ、チタンと銅合金の共晶反応で銅合金を溶融し、この溶融金属をロール圧延で押し出して製造しています。液相拡散接合とろう付けの中間的な施工法です。

bridge

アクアラインの橋脚には、チタンクラッド鋼

 

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