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金属技術史

3.17 超塑性現象は接合を促進しますか?

 拡散接合では、接合面間での密着を促進させるため、軟質材のインサート金属を適用する事があります。軟質材は変形し易い事から、密着・接合面積が増加します。超塑性材を接合面間に挟みますと、密着・接合面積が増加して接合性は向上します。
 鉄、チタンを一定温度に保持して拡散接合するより、変態点を横切るような熱サイクルを繰り返しますと、接合部の変形が促進されます。変態の繰り返しによって変態超塑性が発生し、変形が促進されて継手強さが各段に増加します。

 いま、拡散接合部での変形で整理してみます。下図は継手効率(接合部の強さ/接合時と同じ熱履歴を受けた母材の強さ)と接合部での変形度(断面積の増加割合)との関係を示しています。接合強さは変形度の増加と共に上昇しています。接合強さは、超塑性の発生の有無に関係なく、接合部分の変形に依存することはわかります。すなわち、超塑性現象の利用は、加圧力の低減効果です。

Ti bonding

各種の熱サイクルでチタンを拡散接合した際の、継手効率と変形度の関係

 超塑性現象は拡散接合で接触した箇所の接合を促進するのでしょうか。それを確かめるために、鉄の拡散接合破面から接合面積割合を測定し、面積割合と継手効率との関係を整理してみます。下図は鉄についての結果です。変態の発生の有無に関係なく、継手効率は接合面積割合と同じ線上にあります。変態の発生が接合を促進するならば、変態を付与した継手効率が良くなるはずです。
 このように、変態超塑性は変形を促進して、接合部での密着・接合を促進します。接合部に加える加圧力の低減に効果があります。しかし、密着・接合した領域の接合の改善効果はありません。

 変態の利用は、成形と接合を同時に行える利点があります。チタン合金の成形と接合は広く利用されています。

real bonded area

各種の熱サイクルで鉄を拡散接合した際の、継手効率と真実接合面積割合の関係

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