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第2回接着・接合EXPOを見学

 昨年は、東京ビックサイトで開催された「接着・接合EXPO」。東京オリンピックの準備で使用できなくなったことから会場を変更して、今年は幕張メッセでの開催となりました。
 会場の変更が、どのように影響したかは分かりません。本展示会のホームページで、展示品について、「拡散接合」で検索しました。その結果、東北特殊鋼からの展示のみで、昨年度(10件近くあり)と比較して大幅に減少しました。
 「拡散接合」、「クラッド材」で検索して、ヒットしたブースを見学しました。
 拡散接合で、唯一の参加となった「東北特殊鋼」のブースでは、フォットエッチングしたステンレス鋼箔を積層した接合体を、顕微鏡で観察できるようになっていました。数十μmの微細構造が観察できました。今年は、Al/Cu等の数種類の異種金属板の接合体(約10cm四方)の展示が加わりました。その異種金属の接合体を短冊形状に切断して、曲げ試験を行い、90度の曲げでも接合部の健全性を示す接合試料の展示があり、異種金属の接合技術の高さを示していました。
 「JFEスチール」のブースでは、炭素鋼/ステンレス鋼などの大型クラッド材の展示がありました。展示品や展示カタログから、クラッド部材を積層して端部を電子ビーム溶接し、接合部を真空に排気し、ロールボンディングで製造していることが分かりました。
 小物のクラッド材関係では、「アイチテクノメタルフカウミ」(新潟県燕市)の組成の異なる炭素鋼を接合した「ダマスカス模様の包丁」や、銅と炭素鋼を積層して製作された「抗菌包丁」が目を引きました。ステンレス鋼板と銅板を積層して、表面に見られる木目模様は、まさしく玉川堂(新潟県燕市)の木目金を思わせました。
 このほか、電子部品用の異種クラッドを「東洋鋼鈑」が「ファインクラッド」の商品名で展示。各種金属の組み合わせで、板厚の薄いクラッド材を製造しています。また、フォトエッチング等でハーフエッチングした材料の接合面をイオン衝撃して清浄化することで、クラッド材製造時の圧延変形度を少ない。その結果、中空構造のクラッド部材は大変興味深いものでした。
 最近、銅箔を積層接合して、ヒートパイプ等の製作例が多く見られます。多くは無酸素銅を用いるので、接合温度800℃の接合では無酸素銅の接合材が軟化して、接合体が非常に強度的に低いものでした。無酸素銅に変わる、材質的に強度レベルを高めた材料の展示「ベーパーチャンバー用銅合金」(神戸製鋼所)の展示ありました。ポイントは析出硬化元素の添加銅合金です。
 接合性を阻害するSiを添加せず、析出強化元素のFe,P,Niを添加した接合用の析出強化合金です。接合温度800℃での接合後、冷却過程で銅合金中の析出物が析出して強化され、接合性の劣化のない析出銅合金で、興味深い銅合金でした。

 

 exhibition

幕張メッセで開催された、接着・接合EXPO

 

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