猿橋と笹子トンネルの見学
山梨県の大月市を流れる桂川に架かる「猿橋」は、日本三大奇橋の一つです。桂川(相模川)の両岸が崖となってそそり立ち、幅が狭くなっています。ここに橋を架けるには、橋脚なしで橋を渡す必要があり、このような所に橋を架けるには、多くは吊り橋が用いられます。江戸時代には刎橋(はねばし)という方法がありました。
猿橋に全景(秋は紅葉が美しい)
猿橋の刎木の構造 笹子隧道
岸の岩盤に穴を掘り「刎ね木」を斜めに差し込み、川の上方に突き出させます。その上に同じように「刎ね木」を突き出し、下部の「刎ね木」が支えます。上にのせた「刎ね木」がせり出して行きます。その上に人が歩く橋の板を載せて完成です。この「刎ね木」が腐らないように、銅板製の屋根付き構造となっております。現在の橋は、昭和59年に架け替えられ、木材は台湾檜を使用との事でした。また、「刎ね木」を使った刎橋の構造は、「何匹もの猿が手をつないでアーチ型となり、その上を歩く猿を見て発想された」との事でした。この猿橋の上流には新猿橋の欄干には手を繋ぐ猿が描かれていました。
猿橋の上流には、甲府に抜ける笹子トンネルがあります。国道20号線の笹子トンネルと旧笹子隧道。昭和33年に笹子トンネルが完成するまで、旧笹子隧道は山梨、長野と東京を結ぶ幹線道路として交通を支えました。このトンネルの入り口の左右には、柱形の装飾が施されているのが特徴で、平成11年に登録有形文化財に登録されています。
中央自動車道の笹子とネルは昭和50年(1975年)に完成し、2012年12月2日天井板の崩落井事故を発生しました。現場の写真等を見ますと、平坦な天井板をトンネルの上部からの支柱で固定する方法でした。猿橋の構造力学を勉強しておれば、平坦な天井板ではなく、屋根型天井の構造となり、落下する事はなかったのに。