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金属技術史

「鍛冶芸術家、古屋菜々展」を訪ねて

 小学校唱歌「村の鍛冶屋」は長く親しまれていました。しかし、昭和30年代農林業が機械化するにつれ、鍛冶屋が急減し、昭和50年代に小学校の音楽教科書から、この唱歌が消えました。昭和20年代私の家の近くにも鍛冶屋があり、農機具などを製作していたのを思い出します。下記が「村の鍛冶屋」のオリジナルの歌詞です。
  しばしも止まずに槌打つ響、
  飛び散る火の花はしる湯玉
  鞴(ふゐご)の風さへ息をもつがず
  仕事に精出す村の鍛冶屋
 この鍛冶屋の技術で農機具ではなく、「人に感動を与える芸術作品」を制作している鍛金作家の展示会です。「鉄に恋した、鍛冶芸術家、古屋菜々展」が日新製鋼ギャラリー」で開催されていました。
「鉄が好きで鍛冶をやっている」とのこと。加熱された「鉄の色」、ハンマーで叩いたときの「音」、「変形具合」、「飛び散る火花」等を肌で感じての制作活動のようです。
 鉄板やニッケル板を積層して、これらをコークスの中で加熱後、灼熱された積層体をエアーハンマーで叩きます。加熱と加圧で材料を「一体化し」、「叩き」、「伸ばし」、「捻る」を繰り返して、異種金属が織り成す模様をつくりだしています。軟鉄とニッケルを積層して制作された「ダマスカスオブジェ」は、鉄とニッケルの光沢と、腐食処理で鉄の部分が凹みますから、この凹凸が非常に美しく感じられました。
 このほか、「ヘパイストスの贈り物」と題しての「鉄製の椅子」は、牛の骨盤をモチーフに人が心地よく座るための、点と線を結んで制作したとのこと。実際座ってみましたが、鉄の硬さを感じさせない、座り心地でした。

 このような「鉄」と「人」を結ぶ場を提供する日新製鋼株式会社に敬意を表するとともに、この若き鍛冶芸術館家の発展を祈って会場を後にしました。

garally

「鍛冶芸術家、古屋菜々展」 日新製鋼ギャラリーにて

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ダマスカスのオブジェ (展示会の資料から)

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