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金属技術史

「テクノフロンティア2010」で「熱対策素材」を見学

 「ものづくり」を支える先端技術が集う「テクノフロンティア2010」では、「モータ技術展」、「電源システム展」、「EMC・ノイズ対策技術展」、「熱対策技術展」など、電子機構部品の展示会が同時開催されました。
 「熱対策技術展」では、熱対策製品・システムをはじめ、熱対策部品・材料・素材、熱対策ソフトウェアまで、熱対策に関する最先端の実用技術の展示がありました。
 最近、電子部品の高密度化に対応して、各種の熱対策素材の展示がありましたが、材料加工の観点から興味深い材料について紹介します。

  1. 超熱伝導材料((株)守谷刃物研究所)

 炭素の同素体には、ダイヤモンド、グラファイト(黒鉛)、フラーレン等があります。グラファイト(黒鉛)は、ベンゼン環が面内に連なり、それを積層した構造をもっています。その面内での熱伝導(2000W/mK)が格段に優れることから、このグラファイト(黒鉛)粒子を配向させ、アルミや銅と複合化した材料です。パルス通電装置やホットプレス装置を用いて焼結した円盤形状材料で、直径約30cmの焼結体が展示されておりました。その配合比や金属の種類を変えることで、熱膨張係数を変えることも可能で、円盤面の熱伝導率は500〜700W/mKを得ています。厚さ方向の熱伝導率は100分の1に低下するようですが、グラファイト(黒鉛)の特性と焼結技術をうまく組み合わせた熱伝導率の高い材料です。これは、島根県産業技術センターとの共同研究の成果です。

moriya

超熱伝導材料の構造図

2.PGSグラファイトシート(パナソニック エレクトロニックデバイス(株))

 高分子フィルムを熱分解によって単結晶に近い構造を持つ「高配向性」(Pyrolytic Graphite Sheet)グラファイト。面方向に高い熱伝導性をもっております。パソコンや携帯電話等のCPUからの熱の放散を図る目的で使用されているようです。
 シート材の他、ブロック材の展示も有り、本ブロックを手に持って氷にふれると、指先で氷の冷たさを感じるとともに、ブロックと接触した箇所の氷がとけ始めました。
 グラファイトには大きな異方性があります。シート方向と厚さ方向で熱伝導率では100倍、電気伝導率では4000倍もの差があります。本材料は金属材料にない特徴を持っており、期待される材料であります。

carbon brock

指先の体温で氷が溶け始める

 

3.Wel-Therm ((株)WELCON)

 熱膨張率の小さなコアプレート材の中に熱伝導の高い熱伝導材を配置した微細組立接合品です。基板厚み方向に高い熱伝導性と、面方向に低い熱膨張係数を実現しており、従来品よりも簿肉化、そして内部構造の配置を換えることで、熱伝導と膨張率を制御できます。上記の1.と2.はいずれも、グラファイトの特性から、面方向での高熱伝導性をもっておりますが。本Wel-Thermは、板圧方向に高い熱伝導性をもっているのが特徴です。 (2010.7.24)

 

welthermo

 内部構造図

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